BB−65 イリノイ (改アイオワ級)



BB−65 イリノイ (改アイオワ級)

 BB-65イリノイBB-66ケンタッキーは通常アイオワ級の未成に終わった5番、6 番艦とされます。
 ですが信濃改大和級とするように、この2艦もアイオワの船体下部に改良を施 したものでした。とは言え詳細は全くわかっておりません。 従来アメリカ戦艦では 艦底構造を三重底として艦底起爆魚雷・機雷に対する防御としてきたのを廃止、 二重底に改めたと言う事のみわかっています。この理由は「実験の結果、三重底 の効果が無かったため」と伝わっていますが三重底は他海軍でも使用されており、 最初私はこれはヘタな言い訳で「この2艦は戦時急造艦では?」と疑っておりまし た。
 後日「モンタナと同様な水中構造にする案もあったのだが設計を根本的に改め る必要があるため不採用となった」事を知り、これを「欠陥が露呈したツイン・スケ グの廃止」と直感しました。とするとアイオワ改の改設計の命題はツイン・スケグの 問題改善にあり、三重底の廃止もこれに必要だったからではないかと考えており ます。

*追加情報
米軍は戦時中酸素魚雷の存在を知り、アイオワ級5、6番艦の設計を改め、舷側 水中防御を20%強化したそうです

水中防御目標 対応炸薬量 kg換算 実質 備考
コロラド TNT400lbs 181kg
ノースカロライナ TNT700lbs 318kg
サウスダコタ TNT700lbs 318kg
アイオワ TNT700lbs 318kg
イリノイ TNT840lbs 381kg
モンタナ TNT?lbs
アラスカ TNT500lbs 227kg
推定値
大和
350kg
シャルンホルスト
250Kg 204kg=450lbs以下 実質は英軍実験値
ビスマルク
300Kg 204kg=450lbs 実質は英軍実験値

*訂正
プロ作家にして敵国艦艇研究家であらせられる大塚好古先生から、ありがたい御 忠告を受けました。
「BB65-66の艦底はBB61-64同様の三重底であり、特に変化はし ていません。ケンタッキーの建造中の写真に三重底が写ってますか ら。」
う〜ん、三重底廃止は「世界の艦船」の情報なのですが、明らかに先生の勝ちで すね(汗)
ちなみに水中防御20%アップは正しいそうです。
上記の表のアラスカとドイツ戦艦の目標値も先生に御教授いただいたものです。 ありがとうございました。
つまり本項は私の全くの勇み足でツインスケグ云々の件もくだらない 憶測だったようです。深く陳謝いたします。


付記 余計な話
 イリノイケンタッキーの勇姿は、新世紀エヴァンゲリオンの「アスカ来襲」(だっ け?)で見る事ができます。もちろんアイオワ改では無くアイオワ級の設定でしょう けど(笑)。





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改アイオワ級 BB63型とBB65型