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この項はヴィッカーズMk.4 ヴァリアントの続きですから
そちらから先にお読みになって下さい。
「わしらの戦車はなんで売れへんのやろ?」
ヴァリアントがコケた時、ヴィッカーズ社もようやく気がつきました。
「そや、インド騙くらかしたビジャンタがアカンかったんや!」
そうです。それで手抜き戦車メーカーのイメージが定着してしまったのです。
「むぅ、するとイメチェンが必要や!
どこか売れ筋のメーカーと協同開発するんや!」
そうですね。悪評を一掃するためには良い手段です。
「アメちゃんは・・・ダメや!
連中と手ぇ組んだらケツの毛までむしられる。
すると、やっぱりドイツやな!
連中、お堅い職人集団やし
大戦の事もあるし嫌やとは言わんやろ。
いや、言わせん!」*
こうしてドイツのクラウス・マッファイ社との技術提携が結ばれました。
とは言え、失敗続きのヴィッカーズに新規開発する資金なぞありません。
そこで仕方なく射撃統制装置をグレードアップさせたヴァリアントの砲塔と、
クラウス・マッファイの世界一性能と信頼性の高い
レオパルトUの車体を合体させるという、
まるでプラモでも作るかのような「二個一」プロジェクトが実行されました。
こうしてきわめて短期間でヴィッカーズMk.7は完成したのです。
「どや、レオUの車体に最新FCS(射撃統制装置)。
お手軽に最強戦車のできあがりや!
これで明日はホームランや!」
結果から言えばMk.7はやはり一両も売れませんでした。
なぜかって?
それは同じ買うなら実績のあるレオパルトUの方が
信頼できるからに決まっているではないですか。
「おバカなヴィッカーズ開発陣」に萌えっ!
*ヴィッカーズがレオパルトUの車体を入手した経緯は
今もって明かされていないのです。怖〜(汗)
蛇足:国営企業の民営移管を公約としていたサッチャー政権により、
マジメに英国主力戦車を開発・生産していた
ロイヤル・オードナンス(RO)も分割民営化されました。
そして最も恐ろしい事にROの戦車開発・生産の中心的存在リーズ工場が、
よりによってヴィッカーズに売却されてしまったのです。
こうしてヴィッカーズはチャレンジャーの開発・生産権利と
英国戦車の明日を担う権利を棚ボタ式に
格安で手に入れてしまったのでした。
英国戦車の明日はどっちだ?
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