ヴィッカーズMk.4 ヴァリアント





ヴィッカーズMk.4 ヴァリアント (イギリス)

 まだイギリスにヴィッカーズ以外の戦車設計・製造部門として
ロイヤル・オードナンスが存在していたころの話です。
センチュリオン、チーフテン、チャレンジャーといった
主力戦車の設計・製造は
ロイヤル・オードナンス(イギリス国有兵器会社)が独占しており、
ヴィッカーズは輸出用戦車として当時流行していた
高速軽装甲型戦車のヴィッカーズMk.3を作っていました。
基本的にはレオパルトT独)・AMX30(仏)と一緒なのですが、
確たる信念も無く
「あれ売れてるから似たようなもん作ったらよかんべ」
と設計したパチもん戦車、
なんとか騙くらかしたインドにしか売れませんでした
(これがヴィジャンタ戦車)。
 とは云えイギリス戦車業界ではマイナー系に落ち込んでたヴィッカーズ、
このままではおまんまの食い上げ。
なんとかして輸出部門で逆転ホームランを打たなければなりません。
そこで当時開発されたばかりの
チョバムアーマーの輸出許可を政府にねだり、
これを装着した戦車開発に乗り出します。
そして完成したのがヴァリアントなのです。
 当時、複合装甲の輸出用戦車は世界的にも他に存在せず
ヴィッカーズの目論見は当たるかに思えました。
しかしここ最近はパチもん三流戦車しか作った事の無いヴィッカーズに、
複合装甲のような極端に重量過大になる要素を
消化するのは至難の業でした。
どうしたら軽く作れるか、
「そーだ、基本構造アルミにしてまえ!」 
果たしてヴァリアントは複合装甲戦車としては軽量に仕上がりました。
「これで全てオッケーじゃ!」
 いいえ、全然オッケーじゃなかったのです。
当時アルミ装甲は熱に弱い事が判明し、
これを採用したアメリカのブラッドレイ歩兵戦闘車
議会で大きく叩かれました。ましてや主力戦車でアルミなんてとんでもない!
 こうして一両も売れずヴァリアントは水子兵器の殿堂入りが決定しました。
「しょうもない開発経緯」萌えっ!

ヴィッカーズ Mk.7に続きます。



FV4601 MBT-80

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ヴィッカーズ Mk.7