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T95と言うと大戦中の
試作重駆逐戦車(T28/T95)
もしくは冷戦時代の
旧ソ連FST
(FutureSovietTank=ソビエト未来戦車=T94orT95)
を思い浮かべてしまう方もいらっしゃるでしょうがそれはまたいずれという事で、
今回は大戦後1950年代中期〜1960年代初期にかけて
M48後継として開発されていた試作主力戦車T95を紹介します。
後にやはりボツになる1970年代のMBT70に比べれば外見も地味ですが、
どうしてどうしてこのT95も当時の最新技術がふんだんに盛り込まれています。
まずソ連主力戦車T55の100mmライフル砲に対抗すべく、
M26&M48系と同じ90mmながら世界に先駆けて
T208滑腔砲とAPFSDS弾
を採用しました。
またこの攻撃力を生かすためT53 OPTAR レンジファインダーを採用、
後のレーザー測距儀の雛型となる
光ビーム利用の新測距儀です。
そして矛の次は楯、装甲に
珪素質を核とする新型装甲。
これも後の複合装甲の先駆けと言えるもので、
ソ連T64が採用した複合装甲もここら辺の技術が流出したものかもしれません。
そして機動性。従来のガソリンエンジンに変わって
GM 12V71T ディーゼルエンジン
が採用され航続距離もソ連戦車に見劣りしません。
機動性において重要な足回りにも新技術が導入されました。
スウェーデンS戦車に採用された
姿勢制御機能付き油気圧懸架装置。
おすわり おて ちんちん
もしT95が正式採用されていれば、S戦車、日本の74式と共に
「踊れる戦車」
として貴重な存在になっていたはずです(笑)。
このようにT95は攻・防・走全ての点で性能を刷新された上、
M26〜M48系で常に問題とされてきた大柄・過大重量問題も解決した
低姿勢で比較的軽い(32t)
戦車として米軍の明日を担うはずでした。
しかし時間はそれを許しません。
ソ連最新鋭戦車T62の出現により、
最新技術の固まりでありそれ故開発に手間取るT95計画は中断され、
より短時間で配備可能なM48改良型であるM60が
次期主力戦車と決定されたのでした。
余談ですが、
新型砲、新型測距儀、ディーゼルエンジン、
姿勢制御式油気圧懸架装置、
低姿勢・軽量車体・・・何か連想しませんか?
そうです、
国は違えどT95の夢は遥か極東の日本において結実したのではないでしょうか。
74式戦車として。
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