|
第二次大戦前夜、クリスティー戦車の影響を受けた各国で
同様の懸架装置を採用された戦車が数多く作られましたが、
これは東欧ポーランドにおいて設計されたクリスティー系戦車です。
ポーランドが巡航戦車を実用化させようとして目をつけたのが
米国のクリスティー戦車でした。
しかしながら紆余曲折あって実車を手に入れられなかったポーランドは、
クリスティーから手に入れたメモとスケッチ、
果ては広告用パンフレットも参考にして研究を開始し、
1932年には基本設計までまとめました。
ただこの時、ヴィッカーズMk.Eを参考にした(パクった)
7TP軽戦車の設計が開始されたため、
巡航戦車計画は足踏み状態となりました。
その後、1935年3月10日に10TP命名と共に本格的な設計が開始されます。
そして1936年には設計中にも関わらず
1936〜1942ポーランド陸軍装甲部隊配備計画の
主力戦車と指定されました。
1938年7月実車完成。8月走行試験。9月30日まで各種試験。
これを受け改修されたタイプが試験に入ったのが1939年1月16日。
1939年4月22〜25日長距離走行試験。
さらに改修を受け、5月に陸軍高官に披露。
あるいはこの時を完成と見ても良いかも知れません。
しかし近付く戦争の足音と共に10TPの開発史は終わりを告げました。
最後にもう一つ。
10TPは改修中に装輪走行機構の省略により重量軽減が可能と判断され、
その重量で装甲強化が図られました。
1938年末期に開発開始されたこの新戦車は完成の暁には
14TPと名付けられるはずだったようです。
型式 |
10TP |
14TP
プロトタイプ1
|
14TP
プロトタイプ2
|
生産年 |
1939試作 |
乗員数 |
4 |
4 |
4 |
重量 |
12.8t |
14t |
14t |
全長 |
5397mm |
寸法は10TPから
ほぼ変化無しと推測される
|
全幅 |
2553mm |
全高 |
2197mm |
地上高 |
400mm |
履帯幅 |
350mm |
装
甲
|
砲
塔
|
前面 |
16mm |
10〜30mm |
35〜50mm |
側面 |
16mm |
後部 |
|
上面 |
|
車
体
|
前面 |
20mm |
側面 |
20mm |
後部 |
20mm |
上面 |
8mm |
主武装 |
37mm
wz.36×1
|
37mm
wz.36×1
|
47mm
×1
|
弾薬数 |
80発 |
? |
? |
副武装 |
7.92mm
wz.30
機関銃×2
|
7.92mm
wz.30
機関銃×2
|
7.92mm
wz.30
機関銃×2
|
弾薬数 |
4500発 |
? |
? |
エンジン |
アメリカン
ラ フランス
水冷V型12気筒
210hp
|
マイバッハ
8気筒?
(400hp?)
|
マイバッハ
12気筒
300hp
(500hp?)
|
懸架装置 |
クリスティー式
装輪・装軌併用
|
クリスティー式 |
クリスティー式 |
最高速度 |
装軌 |
50〜56km/h |
50km/h |
50km/h |
装輪 |
75km/h |
― |
― |
航続距離 |
路上210km/h
路外130km/h
|
? |
? |
今回の内容は
Polish Armour
の10TPの要約です
スペックは
Polish Armour
TANKS!
Achtung Panzer!
世界の戦車1915〜1945 大日本絵画
からまとめました
|
|
|