|
序章 あなたのお名前は?
ここで御紹介するのは、皆さんとっくに御承知の大和級3番艦から5番艦につい
てです。
3番艦は空母に改装された信濃の事ですがこの艦名自体、戦艦として就役した
場合そのまま使われるかどうか疑問を持たれています。
とりあえず艦名について幾つか説を御紹介しましょう。
A、3番艦「信濃Shinano」、4番艦「紀伊Kii」
B、3番艦「尾張Owari」、4番艦「紀伊Kii」
C、3番艦「信濃Shinano」、4番艦「飛騨Hida」
第一章 大和改一 第110号艦級
実際の所、大和級は
第一グループ 「大和」、「武蔵」
第二グループ 「第110号艦」、「第111号艦」
第三グループ 「第797号艦」
と改設計により三つのクラスに分類できます。
第110号艦級はまず第一グループが建造中および建造後に施された次の改正案
を最初から盛り込んでいました。
1、副砲の防御強化。揚弾筒外側に1インチ甲鈑の追加。
防炎装置の板厚増加。
2、連合艦隊旗艦施設の改正。
第二幕僚事務室、艦橋作戦室、諸待機室の変更。
3、航続力過大の是正。燃料搭載量の減少。
そして新たに次の改良が加えられました。
1、連合艦隊旗艦施設の改正。
前述の改正に加え、司令部関係居住区の移転。
艦橋構造物内に休憩室、待機室を増設。
2、艦底防御の強化
磁気機雷、艦底起爆魚雷に備え、機関部艦底を三重底に強化。
3、防御甲鈑厚さの一部減少
耐弾実験の結果、大和級の装甲防御力に余裕がある事が判明。
前述の艦底防御の代償重量として一部の装甲を薄くしました。
舷側装甲を10mm(410→400)、中甲板を10mm(200→190)、
主砲バーベットを20o(560→540)にそれぞれ削減しました。
4、防空指揮能力
以上に加え建造途中で舷側副砲の撤去と対空火力の強化も行われると考えられ
ます。
第二章 大和型改二 797号艦級
大110号艦級にさらなる改良を加えたいわば決定版です。
1、舷側副砲の撤去。
2、対空火力強化。
従来の12.7サンチ高角砲に代え、長10サンチ連装砲12基装備。
3、水中防御の強化。
機関室区画を完全に三重底化。
船体前後無防御区画に舷側防御縦隔壁を新設。の強化。
防空見張り所の配置改正。
第三章 まとめ
|
大和 |
110、111号艦 |
797号艦 |
基準排水量 |
63200トン |
63200トン |
63200トン |
満載排水量 |
72809トン |
72809トン |
72809トン |
水線長 |
256.0m |
256.0m |
256.0m |
水線幅 |
36.9m |
36.9m |
36.9m |
喫水 |
10.4m |
10.4m |
10.4m |
機関出力 |
150000shp |
150000shp |
150000shp |
速力 |
27ノット |
27ノット |
27ノット |
主砲 |
460.0mmL45
×3×3
|
460.0mmL45
×3×3
|
460.0mmL45
×3×3
|
副砲 |
154.94mmL62.03
×3×4
|
154.94mmL62.03
×3×4(→2)
|
154.94mmL62.03
×3×2
|
高角砲・両用砲 |
127mmL40
×2×6
|
127mmL40
×2×6(→12)
|
100mmL65
×2×12
|
機関砲 |
なし |
なし |
なし |
機関銃 |
25mmL60
×3×8
|
25mmL60
×3×8(→50)
|
25mmL60
×3×50
|
舷側外板 |
なし |
なし |
なし |
舷側主装甲 |
(410mmVH
+16mmDS)
20度
|
(400mmVH
+16mmDS)
20度
|
(400mmVH
+16mmDS)
20度
|
舷側内弾片防御 |
14mmDS
5度
|
14mmDS
5度
|
14mmDS
5度
|
上甲板 |
35mmDS |
35mmDS |
35mmDS |
中甲板 |
200mmMNC
+10mmDS
|
190mmMNC
+10mmDS
|
190mmMNC
+10mmDS
|
下甲板 |
なし |
なし |
なし |
弾片防御甲板 |
9mmDS |
9mmDS |
9mmDS |
主砲塔前楯 |
650mmVH
-45度
|
650mmVH
-45度
|
650mmVH
-45度
|
主砲塔側面 |
250mm?
-35度
|
250mm?
-35度
|
250mm?
-35度
|
主砲塔後面 |
190mmNVNC
-25度
|
190mmNVNC
-25度
|
190mmNVNC
-25度
|
主砲塔天蓋 |
270mmVH
−5度
|
270mmVH
−5度
|
270mmVH
−5度
|
バーベット |
560mmVH |
540mmVH |
540mmVH |
|
実戦においてはこれら改大和級3艦は水上砲撃戦においては大和にやや劣ります
(装甲が弱体化したため)。
しかし水中防御や対空能力の強化によって、よりバランスの良い軍艦になったと思
われます。
|
|
|