クィーン・エリザベス代艦級・1927〜29計画案(後編)



クィーン・エリザベス代艦級・1927〜29計画案(後編)

 QE代艦計画でもっとも検討されたのは12インチ砲搭載案だったようです。A〜L の12案が設計されました。このうち最大・最強・最速がK案で、最終のL案はK案の 縮小案でした。
 ついで3万トン前後の14インチ砲搭載案が再び検討され中速(おそらく25ノット前 後)軽装甲路線になります。B案は速度低下と引き換えに艦型を縮小したもの。 

12A 12K 14A 14B 16A
年.月
全長 (m)
垂線間長 (m) 185.93 192.02 201.17 188.98 210.92
全幅 (m) 29.26 31.09 31.70 31.70 32.31
喫水 (m)
平均喫水 (m) 8.23 8.23 8.23 8.38 9.14
基準排水量 (t) 25040 28150 30700 29070 35000
軸馬力 (SHP) 37000 80000 60500 43500 45000
速力 (kn) 23 27
23 23
燃料搭載量 2700 3000 3500 3000 3000
主砲(in*門*砲塔数) 12*2*4 12*2*4 14*2*4 14*2*4 16*2*4
副砲 6*12 6*12 6*12 6*12 6*12
高角砲 4.7*8 4.7*8 4.7*8 4.7*8 4.7*8
ポムポム砲 4 4 4 6 6
艦載機 1 1
2
魚雷(in*発射管*搭載数)
舷側装甲帯・弾火薬庫水線部 10 10 11 11 13
舷側装甲帯・弾火薬庫水線上部 3 5 3 3 4
舷側装甲帯・機関部水線部 8 10 10 10 11
舷側装甲帯・機関部水線上部 3 5 3.5 3.5 4
前部バルクヘッド 10-7 10-7 10-7 10-7 11-7
後部バルクヘッド 10 10 10 10 11-4
砲塔前楯 12.5 12.5 11.5 11.5 15
砲塔側面 8.5 8.5 8 8
砲塔後部 8.5 8.5 6 6
砲塔天蓋 5.75 5.75 5.75 5.75 6
バーベット 11-9 11-9 9-8-7 9-8-7 13-10
司令塔側面 10-7 10-7 9-6.25 9-6.25 12-8
司令塔天蓋 4.5 4.5 4 4 6
装甲甲板・弾火薬庫
5.5 5.5 6.25
装甲甲板・機関部
3.5 3.5 4.25
水雷隔壁 1.5 2 1.5 1.5 1.25
砲配置・タイプシップ QE QE QE QE QE


 そして最後が本命というべき16インチ砲搭載案で低速・重防御案になっていま す。速度はネルソン級と行動を共にすべく23ノットにおさえ、同等の火力を持って います。ただ垂直防御はネルソンに劣っており、艦首砲塔集中配置型と通常艦型 の差が如実にでています。しかして実用性や信頼性においてはネルソンを凌ぐは ずです。
英国海軍にとってネルソン級は実験的な意味合いが強く、また失敗作と判断され たらしく艦首砲塔集中配置型は二度と正式採用される事は無かったのです。

 どちらにせよ次のロンドン軍縮会議で代艦建造条項が廃止されたためQE代艦 は建造される事は無かったのですが・・・





クィーン・エリザベス代艦級・1927〜29計画案(前編)

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