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第二次大戦直前に一種ブームとなった1〜3万トンクラス大型巡洋艦というのは興味
深いカテゴリです。
1.ポケット戦艦(装甲艦)ドイッチュラント級(独)<ダンケルク級(仏)
<シャルンホルスト級(独)<アラスカ級(米)=超甲巡B-65(日)
と言う順に対抗していったルートと、
2.条約型重巡を駆逐するための巡洋戦艦試案(蘭)、クロンシュタット級巡洋戦艦(ソ)
3.通商破壊戦用のD級装甲艦(独)、O級巡洋戦艦(独)、P級装甲艦(独)
4.独裁者の趣味(この場合スターリン)スターリングラード級巡洋戦艦
以上4種の建造目的にわかれます。とは言え明確に分別できるわけでもなく、複数の目
的を持つ艦が多いのですが。
実際には最初のドイッチュラント、ダンケルク、シャルンホルスト、アラスカの4クラス9隻
のみ竣工しました。
その理由は、
金が無い、
戦争始まっちゃってそれどこじゃおまへん、
というのが主ですが、最大要因はやはり
「あんまり意味ねーや」
に尽きると思います。
1の対抗艦という以外は全て他の艦艇、兵器で可能な上にその方がコストパフォーマン
スが遥かに良いからです。
さて4の独裁者の趣味ですがこれは冗談ではありません。だってこの計画は大戦終
了後立てられた上に15隻建造予定ですから、
スターリンのおじちゃんは単なる巡洋戦艦マニア
だったとしか言い様がありません。 もちろんスターリン死後、フルシチョフによって他の
大建艦計画と共に三段蹴り!(キャンセル)喰らってお星様になりました。
でも戦艦マニアとしては見たかった気も・・・フォルムも美しいし、性能、特にその主砲
の凄さったらありませんコトよ奥さまっ!
304.8mm61口径ってあんた仮想戦記の読み過ぎ!
通常徹甲弾で最大射程53070m、高速徹甲弾で127350mって
SFの読み過ぎ!
誘導砲弾の無い時代に人工衛星飛ばしたって当たらんぞそんな大砲!
基準排水量38540トン、35ノット、主砲×3×3(大和と同じ砲配置)、130mm49.62口径
×2×6、装甲はアラスカ・超甲巡と似たような物。
航空機の発達により戦後、艦艇の最大速度はその意味を殆ど失い、30ノット以下に
落ち着きました。ただし旧ソ連海軍のみは戦闘速度を重視したのか30ノットを凌ぐスピ
ードを要求し続けました。おそらく米機動部隊(空母を含む)に先制第一撃を与え、その
まま戦場を急速離脱する事が目的でしょう。スターリングラード級の異常な射程距離と
最大速度はこのような戦術の要 求から導き出されたものと考えられます。
スターリングラード級は水上砲戦型主力艦艇つまり戦艦・巡洋戦艦として、史上最後
に正式に設計・計画されたものです。
その点において、彼女も「最後の戦艦」と言えるでしょう。
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