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英国1947年度計画艦。
英国の新造防空巡洋艦の系譜は米国のアトランタ級に対しダイドー級、
オークランド級に対しベローナ級と奇しくも似たような道を辿っていました。
それでは米国が理想を求めて造り上げた6インチ自動両用砲を装備した
ウースター級に対応するものは? それがこのマイノーター級です。
ウースターが1943年度計画に対し本級は
4年遅れの計画でしたがこれが致命的でした。
ウースターが大戦終結により
初期計画艦4隻中2隻のみの建造となってしまったように、
本級も海軍予算削減により全艦建造中止となってしまったのです。
ウースターと比較した場合、
基準排水量はともに1万4千トン超、
6インチ自動両用砲10門(ウースター12門)、
3インチ速射砲16門(ウースター24門)とわずかずつ砲数では劣っています。
ですがこれら戦後完成した新型砲は開発着手が遅れた分、
逆に英国製の方が優れておりこれを加味すると
遜色無いどころかむしろマイノーター級の方が
総合的な対空能力は優れていたと言えるでしょう。
ぶっちゃけて言えば英国製6&3インチ砲の完成は
実に米国の十年後ですからこれで劣っていては・・・(涙)
なぜこれほど遅れたかと言えば載せる船体が無いため
開発が一時中断されていたからでもありました。
この両砲を搭載した防空巡計画はこの後も練り直されますが、
最終的に大戦中建造着手されたものの戦争終結により
1946年に工事中断・保管状態にあった
軽巡洋艦スウィフトシュア級後期艦を利用した
タイガー級として結実します。
1954年に工事再開され1959〜61年にかけて完成したタイガー級は
6インチ自動両用砲4門、3インチ速射砲6門と
マイノーター級の半分にも満たない戦力でしたが、
これが当時の英国に建造できる精一杯のものでした。
そうそう。タイガー級を含む軽巡洋艦スウィフトシュア級、
1番艦が竣工直後カナダに身売りされオンタリオと改名されたのですが、
この1番艦の旧名をとってマイノーター級と呼ばれる事もあるそうです。
さらにその先代マイノーター級は英国最後の装甲巡洋艦、
世界初の巡洋戦艦インヴィンシブルと竣工が重なってしまったため
生まれた時から日の当たらない存在でした。
よほどマイノーターと言う艦名には運が無いようです。おそまつさまでした。
*ここでご紹介した各艦側面図は自作アイコンを倍に引き伸ばしたものです
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