翼をください





翼をください

我々が想像するような事は大抵の場合当事者たちが
既に検討済みと云うのはよくある話で、この件もその好例でしょう。
高速戦艦カラッチョロは空母改装ベースとして最適ではないか、
イタリア海軍自身がそう考えていました。


フランチェスコ・カラッチョロ


フランチェスコ・カラッチョロ改装案

本案はその一つで全長185m・幅25mの全通飛行甲板を持つ航空機運用艦です。
しかしながら空軍法の存在によって
海軍は水上機の運用しか許されていないため
本艦も水上機母艦と言う事になっています。
後に設計される航空巡洋艦1925年案より
むしろ航空機運用艦としては進んでおり、
同時期の英国アーガス級と酷似した
非常に優れた形態を持つ空母型艦船を設計していながら空母として使えない。
イタリア海軍の無念さはいかばかりだったでしょうか。
なおもう一つのカラッチョロ改装案は純然たる水上機母艦型でしたが
艦橋前方に全長135m・幅25mの甲板を持っていました。


上記カラッチョロ改装案は
アンサルド社のアーカイヴから見つかったのですが
両案ともアンサルド社の設計案ではなく
海軍自身によるものだったそうです。


*ここでご紹介した各艦側面図はWarBirds主力艦規格
  自作アイコンを倍に引き伸ばしたものです
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航空巡洋艦 1925年案