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2. タンク グロッテ TG-1








4月、グロッテは火力・装甲・機動力全ての面において理想的な能力を兼ね備えた中戦車を 開発する事を提案した。
重量18〜20トン、速度35〜40km/h、装甲20o前後、火力37o砲と76.2o砲、機関銃5門を 装備。
この戦車を開発するためにレニングラード・ボルシェビク工場航空エンジン部門に設けられ た彼ら独逸技術者集団の研究室は特別研究室 AVO-5と名付けられた。
さらに彼らには車体設計のみならず、火砲、エンジンの独自開発権を与えられた。
破格の待遇であり、それは取りも直さずソ連政府がどれだけの期待を彼らに持っているかと 言う証であった。
「将来の戦車は回転砲塔に3インチクラスの大型砲を載せたものが主流になると思う」
「飛行機の発達は目覚しい。戦車も自力でこれに対処する事を強いられるだろう」
「鈍重ではダメだ。戦車も高速でなければ」
グロッテの未来を透徹したかのような構想は止む事を知らない。
しかし、次々と新しいアイディアを紡ぎ出す彼もやはり人間。
慣れない環境でのオーバーワークが祟り、病気で倒れてしまったのだ。
ソ連政府の矢の様な催促に残った技術者たちは年内12月15〜20日完成を約束し、76.2o 砲を砲塔形式から固定式に改めると言うような簡略化をも施したが、空しく時は過ぎた。
グロッテ自ら設計した空冷エンジン開発の遅れがその主たる原因だった。

明けて1931年4月、グロッテの病も癒えた所で、完成しない独自エンジンに見切りを付け、航 空機用M-6エンジンを暫定的に搭載した試作車の製作に入る事になった。
そしてTG-1試作車が完成した。



複雑な作業により造られたその流麗たる曲線で構成された外形は見る者に
「これこそ未来の戦車だ!」
と感銘を与えるものであった。
砲塔装備の37o砲は高仰角で対空射撃を可能とし、その頂部の視察用キューポラは戦車 長に良好な視界を与える。
クリスティー式懸架装置は高速性能を約束し、キャタピラをはずせば路上にてさらに高速機 動が可能。
5基の機関銃は敵歩兵の接近を許さず、76.2o砲はいかなる敵をも撃ち砕く。
まさに夢の戦車!

「おお、ジラース! わしのジラース!」 とは言わなかっただろ〜けど(笑)
このように下部砲塔は固着状態。ううむ残念。


TG-1 試作車要目
戦闘重量 28.5t 全長 7.5m M-6エンジン 200〜300hp
乗員 5名 全幅 3.0m 最高速度 35km/h
接地圧 0.67s/p^2 全高 2.84m 航続距離 150km
名称 口径 装備数 弾数 俯仰角度 水平自由度
PS-2 37o 1 300 -12〜+30
A-19 76.2o 1 50 -8〜+12 ±10
M-1910MG 7.62o 3 5000 下部砲郭側&後部
DT MG 7.62o 2 車体側部装備
装甲 前面 側面 後面 上面 防楯
車体 38〜50o 16o/0度 10o/30度 10o/90度
旋回砲塔 16o/0〜20度 16o/20度 16o/20度 10o/85度 16o/0度
下部砲郭 16o/0〜曲面 16o/0〜曲面 16o/0〜曲面 16o/曲面 16o/0度

6月27日から10月1日のテストにおいて走行性能は良好、独自設計による操縦性能も高く評 価された。とは言え、躊躇無く採用した新機構は複雑でアクセスの困難さも相まって整備性 は劣悪と判断された。
さらに特徴的な重兵装も、76.2o砲と7.62o機関銃が別目標を同時に射撃する事は事実上 不可能だった。
数々の欠点を露呈したTG-1であったが、その先進性と高性能は赤軍高官を惹きつけて止 まず、当時量産中だったT-24の製造を中止し、ハリコフ工場において1932年に2000輌生産 すべしとの提案がなされた。
しかしこの提案も訪英中の軍事視察団がA6/Mk.V試作中戦車の情報を入手した事で覆 された。この戦車はTG-1より高性能でかつ取得価格もずっと安価であると言うのだ。


A6/Mk.V試作中戦車
16t 主砲47o砲×1 7.7o×3 装甲最大14o 最高速度48.2km/h
A6/Mk.V試作中戦車は当時流行した多砲塔戦車タイプ。
確かに16トンとTG-1より遥かに軽く48.2km/hと高速である。
しかし肝心の火力が3ポンド砲(47o)1門と7.7o機関銃3門と比較にならず
装甲も全体的に薄弱であった。
当の英国では本車さえも「高価である」と言われ量産は断念された。
つまり本車も「水子戦車」なのである(笑)

結局TG-1量産計画は中止され、A6/Mk.V中戦車を元にしたT-28中戦車が正式開発を 勝ち取った。


T-28中戦車
27.8t 主砲76.2o砲×1 7.62o×3 装甲最大30o 最高速度45km/h

コストと言う壁によってグロッテの名前を冠した戦車は戦わずして敗れ去ったのだ。





1.その男、赤軍の野に立つべし

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3. 悪夢の多砲塔超重戦車