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チェコスロヴァキアのスコダ社は1941年に
独逸に対しT-25中戦車プロトタイプを提示しました。
450hpの新型エンジンは22hp/tもの出力重量比で、
本車に良好な機動力を与えていました。
また幅広な履帯は接地圧を0.68kg/cm~2に抑えていました。
このように流麗な避弾経始のみならず
機動性の面でも本車は
ソ連のT-34中戦車の影響を大きく受けていました。
半自動鎖栓、ドラム式自動装填装置付きの7.5cm A18 KwK 戦車砲を装備。
砲塔内換気用ベンチレーターも装備。砲塔駆動は油圧式。
しかしながらこの先進的な設計も
Wa.Pruf-6(陸軍兵器試験部)の興味をひく事は無く、
本車はモックアップ段階にさえ進みませんでした。
le.F.H.43(sFL)スコダ 武器運搬車
この後、独逸では105mm leFH 18/1 L/28軽榴弾砲を装備する
ヴァッフェン・トレーガー(武器運搬車)の開発が計画されます。
これはこの105mm榴弾砲を全周旋回砲塔に搭載し、
なおかつこの砲塔を自力で地上に降ろし
牽引式野戦砲やトーチカとして利用可能とする
大変欲張った汎用性を持つ自走砲でした。
同計画にはIII/IV号車体を利用した
クルップ社のホイシュレッケ10、
アルケット/ラインメタルボルジッヒの
10.5cm leFH 18/40/2 auf ゲシュッツワーゲン III/IV (Sf)、
ダイムラーベンツのVK1602 レオパルト偵察戦車ベース案
などが競作に参加しました。
スコダ社もT-25をベースに1943年1月設計を始め
モックアップも造られました。
が、結果は不採用。
アルケット社案が正式採用を勝ち取ります。
しかしながら戦局の悪化により同社案も試作1両のみで
量産されずに姿を消したのでした。
型式 |
T-25 |
le.F.H.43(sFL)
スコダ
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設計年 |
1941 |
1943 |
重量 |
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24.2t |
全長 |
6.04m |
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全幅 |
2.75m |
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全高 |
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地上高 |
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履帯幅 |
640mm |
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装甲 |
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16〜30mm |
主武装 |
75mm A18 KwK
戦車砲×1
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105mm leFH 18/1 L/28
軽野戦榴弾砲×1
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エンジン |
8気筒
450hp
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8気筒
450hp
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最高速度 |
60km/h |
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登坂力 |
40度 |
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超壕幅 |
2.65m |
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渡渉水深 |
1.2m |
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