幻の海防戦艦



幻の海防戦艦
(スウェーデン)



海防戦艦試案1934

海防戦艦試案1934
北欧の雄にして海防戦艦王国スウェーデン。
中でも1917年から1922年にかけて竣工した
スヴェリエ級は北欧最大最強の海防戦艦でした。
しかしながら本艦も年を経て旧式化してくるのは否めませんでした。
さらに独逸がポケット戦艦を建造させた事により
新型海防戦艦が渇望されるようになりました。
本案もその最初期の試案でしたが、
近代型スヴェリエ級と言う程度の性能で採用には至りませんでした。
基準排水量7685トン、全長約137m、22.5〜23ノット、
兵装283mm×2×2、120mm/50×2×6、25mm対空機銃×2×5〜6


海防戦艦試案1940

海防戦艦試案1940
新型海防戦艦は1934年の試案の後も何度も検討され、
その行き着いた果てが本案です。
スウェーデンの依頼を受けイタリアのアンサルド社で設計され
1941年5月に完成予想図が、1943年には詳細案が提示されました。
主砲が283mm砲が1.5倍になって6門、これで独逸ポケット戦艦と互角です。
さらに本案の真価は防御力にあり、
垂直防御は
アラスカ級(米)、クロンシュタット級(ソ・未成)、B-65(日・未成)と同等、
水平防御及び水雷防御はこれらを凌ぐと言う恐るべきものでした。


海防戦艦試案1940中央断面図
同時期のオランダ巡洋戦艦試案1047(独設計)に似るも
内装式舷側装甲上端が主甲板止まりで
上甲板に達せず
ここから敵弾が侵入し易いと言った
ビスマルク同様の弱点を有す。
その反面、水平防御は厚みも配置も
ビスマルクより優れる


しかしながら艦型・建造費共に過大にすぎたため本案は不採用となり、
さらに大戦により海防戦艦新造計画自体消滅してしまいました。
まあ、これはどっから見ても海防戦艦じゃなくて
正真正銘の戦艦ですもんねえ・・・お客様のご要望はきちんと聞いておきましょう。
基準排水量15645トン、満載排水量17000トン、全長176.2m、3万馬力、22ノット、
兵装283mm×2×3、120mm/50両用砲×2×4、
57mm/60対空機関砲×5、25mm対空機銃×8、
舷側内装式傾斜装甲200mm、傾斜甲板30mm、装甲甲板120mm、中甲板50mm



*ここでご紹介した各艦側面図はWarBirds主力艦規格
  自作アイコンを倍に引き伸ばしたものです
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世界最小?になりそこねた超弩級戦艦計画

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